素地調整におけるブラスト処理工法を数値的に管理する方法はいまだに、あまり採用されていない。ブラスト処理自体が各種ラボ実験と実際の現場との乖離がはなはだしい原因としては、ラボ実験段階での実験パラメーターが確定されていないためラボ実験者側が思い込みでテスト条件を決めているケースがほとんどである。そのため、いくら有意義なテーマを持ったテクニカルレポートを発表しても何の役にも立たない結果となっている。
私もよく過去の発表文のレポートを参考にしようと拝見するが、まったくもって
「なぜ、突如としてこんな結果になり得るのか?」「なぜ、結論が出てしまっているのか?」や、質問しても「わかりません」「知らなかった」「理解できない」ばかりで
その基板上でやたら結論に飛躍しているものが多い。
すでに周知の事実と言う前提で先に進んでいるものの中に、理解されていないものも多い。例えば、
サンドブラスト処理 グレード ISO8501-1 Sa2.5
としか記載されていない論文だとした場合、そのあと如何にお金を掛けた実験でも全く役に立たない。自己満足の思い出リポートである。
まず、サンドブラストと記載した時点で報告者の規格認識の欠如が露呈されている。
サンドブラストと言う呼称は既に日本国内でもJIS規格から正式に除外されている。
Sa2.5だがこれ自体も錆び度や旧塗膜、ミルスケール様々なパターンがあるが、
通常ラボ段階ではミルスケールをブラスト処理か磨き鋼板をブラスト処理するだろう、それは良いのだが、研削材の種類、粒度、角度、距離、噴射パターン、噴射粒子速度、ブラストスポットの間隔、etc///
全く記載がないのだ。発表者自身も、質問されても「私のレポートのポイントはそこではないので回答できません」と答える。
全くそれでは、意味がない。そうではなく、「今回のこの発表時間では足らないので、ご質問に対しては後程、資料基に開示できる範囲でお答えします。」としてほしい。
私は研究者ではなく技術者なのでその辺がはっきりしないと、再現ができないため釈然としない。再現ができなければ技術ではない。
そのため、自律型ブラストロボットによるブラスト処理の数値による再現性の研究をゆっくり始めることにした。